永遠に愛を貴方に捧げて

動物か何かかしら?

そう思い振り返るとそこにいたのは、

「なぜここに…?」

二人の男。それは昨日騒ぎを起こした人間の王の使者で間違いなかった。

「なぜって一番美しい薔薇を見せて差し上げようと思ったからですよ、リリィ姫」

「クロード公爵…」

二人の後ろから現れたのはアリアの父であるクロード公爵。

「こちらは第一王女のリリィ姫様でございます」
「おおっ!噂に違わず絶世の美女でありますな」
「初めまして、人間の王の遣いで参りました」


そう言って男たちはリリィを上から下まで舐めまわすように見る。

その視線に吐き気すら感じながらも紹介されてしまったので仕方なく礼を取る。

クロード公爵も案内などなぜする必要があるというのか?

どうせ彼の独断だろう。

「よかったら、もう少し行ったところにベンチがありますので座ってご覧になってください」

にこやかにクロード公爵が言う。


その言葉に従い、人間の二人はベンチのある方へ向かっていく。

どうやらクロード公爵は私と二人きりになりたいようね。

二人の姿が見えなくなると、クロード公爵は笑みを消して冷たい視線をリリィに向ける。

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