永遠に愛を貴方に捧げて

クロード公爵はアリアとお兄様を結婚させて政治の実権を握りたいのかと思いきや、ウィルと結婚することを良しとしている。

クロード公爵が何を考えているかわからない。

ただ私のことを良く思っていないことだけは小さい頃からよくわかっていた。

胡散臭い笑顔を貼り付け、公爵という身分で好き勝手にしている男。

クロード公爵の政治の手腕については知らない、しかし彼はわたしの敵。

クロード公爵はなぜかリリィの前だけ胡散臭い笑みではなく素であろう見下したような表情で接してくる。

それはリリィの前では演じなくても問題ないという余裕の現れであり、それがたまらなくリリィを苛つかせた。

私が何もできない姫だと舐められている。

実際に公爵という身分を持ち、クロード公爵を支持する貴族がいる以上簡単に彼をどうこうすることはできない。

本当は不敬罪で捕まえたいところだけれど、証人がいない以上それも難しい。

だけれどヴァンパイアの力は遥かに彼より上だ。それを示すように瞳を紅く変えてクロード公爵を見る。

リリィのその瞳を見たクロード公爵は少し動揺した表情を見せ、何も言わずに足早にその場を去っていく。

今回は勝ちかしら?
思わず口角が上がる。
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