永遠に愛を貴方に捧げて

「お前の犬を連れて行けばいいだろう?」
「犬?…犬ってまさかウィルのことですか?」
「そうだが。あいつなら気が知れてるし別に構わないだろう?」

お兄様、ウィルのことを犬だなんて‥。
確かに私の元護衛騎士だけれど。

「それにリリィの未来の婿はみなあいつだと噂しているぞ」

ニヤリと笑いながらお兄様が言う。

「え?ウィルですか?ありえませんわ」

容姿も身分も申し分ないが、私達の関係は主従関係以上恋人未満だ。

ウィルは誰よりも大切だけれどそれ以上の感情はないし、これからも持ってはいけない。


「…相変わらずウィルが気の毒だ。なら、リリィにはたくさんの縁談が飛び込んでいるから受けてもらわないとなぁ。父上も娘が早く結婚しなければ不安だろうし…」
「嫌です。いつかは必ず結婚しますがそれは今ではありません。国のためなら話は別ですが」
「そんなこと言って、ウィルもクロード公爵直々に娘をどうかと言われてたぞ。先を越されるんじゃないか」
「えっ?クロード公爵の娘?!」

思いがけない言葉に思わず大きな声を出して反応してしまう。

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