永遠に愛を貴方に捧げて

クロード公爵家自慢の薔薇が咲き誇る庭。

「ごきげんよう」
リリィがお茶会の場所に現れると既に席は残り一つになっていた。

「ごきげんよう、リリィ様」

アリアも含め、皆一斉に立ち上がり礼をする。

やっぱり今日招待された令嬢たちはアリアの取り巻きね。
リリィが王族のため形式的に礼をとりつつも誰も目が笑っていない。

「リリィ様、お待ちしていたわ。ほら、座ってくださいな」

リリィが席につくと、

「みなさま、今日は集まっていただきありがとございます。今日は楽しくお話しましょう?こうしてリリィ様もいらっしゃることだし」

アリアが楽しそうに言う。
ウィルが家に来なかったこと建国祭のエスコートを断られたことに対してアリアは内心怒り狂ってるに違いない。

アリアは何をするつもりなのかしら。
やっぱり嫌味を言われるだけ?

お茶会の場所は外だし、すぐ後ろに護衛も控えている。

どうにかなりそうだと少しホッとする。

けれどアリアのウィルに対する執着がどれだけのものかリリィはまったくわかっていなかった。

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