永遠に愛を貴方に捧げて
クロード公爵に娘は一人しかいない。
アリアのことだわ‥。
昔からアリアとは交流があったが、あの我儘と計算高さはリリィとはどうも合わなかった。
アリアもアリアで私のことを気に入ってないようだし‥。
ウィルがアリアの婿になるのはちょっと嫌だわ。
「おっと、噂をすればウィルじゃないか」
お兄様のその言葉に後ろを振り向くと、ウィルがこちらに向かって歩いていた。
そして私達の前まで来ると、ウィルが書類をお兄様に差し出す。
「例の件について、纏めておきました」
「さすが仕事が早いな」
「いえ、」
お兄様も背が高いのにそれよりも背が高いウィル。
黒い騎士団の服に金色の腕章、とてもウィルに似合っている。
「この件については後で国王に俺から話しておく。ご苦労だった」
「ありがとうございます」
一礼をしたウィルはそのまま立ち去ってしまう。
隣にいる私は無視?
なぜかウィルはお兄様と私が一緒にいると私に話しかけてこない。
視界にすら入れている気がしない。
「ったく。リリィ、ウィルを追いかけて一緒に昼食を食べましょうって誘ってこい」
「‥?わかりました」
どうしてかしら。
理由がよくわからないまま、お兄様の言う通りにウィルを追いかける。