永遠に愛を貴方に捧げて

クロード公爵に娘は一人しかいない。
アリアのことだわ‥。

昔からアリアとは交流があったが、あの我儘と計算高さはリリィとはどうも合わなかった。

アリアもアリアで私のことを気に入ってないようだし‥。

ウィルがアリアの婿になるのはちょっと嫌だわ。

「おっと、噂をすればウィルじゃないか」

お兄様のその言葉に後ろを振り向くと、ウィルがこちらに向かって歩いていた。

そして私達の前まで来ると、ウィルが書類をお兄様に差し出す。

「例の件について、纏めておきました」
「さすが仕事が早いな」
「いえ、」

お兄様も背が高いのにそれよりも背が高いウィル。

黒い騎士団の服に金色の腕章、とてもウィルに似合っている。

「この件については後で国王に俺から話しておく。ご苦労だった」
「ありがとうございます」

一礼をしたウィルはそのまま立ち去ってしまう。

隣にいる私は無視?

なぜかウィルはお兄様と私が一緒にいると私に話しかけてこない。

視界にすら入れている気がしない。

「ったく。リリィ、ウィルを追いかけて一緒に昼食を食べましょうって誘ってこい」
「‥?わかりました」

どうしてかしら。

理由がよくわからないまま、お兄様の言う通りにウィルを追いかける。

< 7 / 66 >

この作品をシェア

pagetop