永遠に愛を貴方に捧げて
「ウィル!」
相変わらず歩くのが早い。
なんとかウィルを見失わずに名前を呼ぶ。
「どうしたのですか?」
私の声に気づいて、ウィルが立ち止まる。
「一緒にお昼を食べましょう。ちなみにウィルに拒否権はないわ。お兄様の命令だもの」
「ルーク王子が…はぁ、わかりました」
「ため息なんてついちゃって私と食べたくないの?」
「そういうわけではありません。どこで食べるのですか?」
「天気が良いから外がいいわね」
たくさんの薔薇がある庭は私のお気に入りの場所だ。
「かしこまりました」
庭に移動すると後ろに控えている侍女達が早速、準備に取り掛かる。
そこそこ力を持っているヴァンパイアは口に出さなくても、相手に伝えることができる力を持っている。
その力によって厨房にいるシェフに庭で食べることを伝えると10分もかからずに美味しそうな食べ物がテーブルに並んだ。
「みんなありがとう。さぁ、ウィル食べましょう」
私がそう言うとウィルは何も言わずに椅子を引いてくれる。
こういう所も流石としか言いようがない。
整った容姿だけじゃない。
これは令嬢達に人気が出るわけだわ。