俺が必ず守るから


でも、俺は違った。


図書館からつけてきたからわかる。


明らかにおじさんは女の子狙いだった。


そしてなにより女の子はいまにも泣きそうな顔をしていたし足も震えていた。


俺は考えるよりも先に動いていて、おじさんが手を離したすきに女の子の手を引っ張って全速力で走った。


うまれてはじめて、走った。


走りながら、ああ怒られるとか、走るの気持ちいいとかいろんな感情が沸き上がったけど、女の子を助けたいという気持ちが一番強かった。
< 142 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop