俺が必ず守るから
「うん、わかった歩いて帰るよ。でも本当に送ってもらなくて大丈夫だから」
「わかった、気を付けて帰れよ」
海斗はそれ以上はなにもいってこなかった。
きっとこのまま一緒に並んで歩いても気まずい空気が流れるだけだろうと海斗も思ったんだと思う。
わたしは歩きながら考えた。
本当は自分が忘れているだけでなにかバスに乗っちゃいけない理由でもあるのかな。
親は理由までは教えてくれないし、わたしだって歩くのが好きだったから特に気にしてなかったけど。
そう思ってバスのことを思い出そうとしたけれど、靄がかかったようになにも思い出せなくて。
わたしなにか大事なこと忘れてるのかな。