俺が必ず守るから
ここは病院だ。こんなところで泣いていたら心配されてしまう。
わたしは溢れる涙を抑えながら、病院からでてお母さんに電話をかけた。
「お母さん、迎えにきてほしい、あの病院に」
お母さんはその言葉だけで理解したらしい。
すぐにいくからそれだけいって電話が切れた。
「美樹!」
しばらくするとお母さんが車で迎えにきてくれた。
お母さんの姿をみてまた涙があふれてきた。
「美樹、ごめんね、思い出したんだね。黙っててごめんね」
「ううん、いいの」
お母さんはなにも悪くない。
もちろん海斗も。
わたしを傷つけないように黙っててくれただけなんだから。