俺が必ず守るから
「おい、ガキ!」
そんな声が後ろからしてさっきのおじさんが追いかけてきていたけれど、男の子の走る速さは尋常ではなくて。
あっという間におじさんは見えなくなった。
それからもしばらく走りやっと止まったと思ったらその子の顔がすごく青白いことに気づいた。
「大丈夫?」
顔をみるとバスで前のほうにいた男の子だった。たぶん同い年くらい。
「はあ、うん、だい、じょうぶ。きみも、だいじょうぶ?」
「うん、ありがとう。でもどうして?」
誰もわたしとあのおじさんの関係に気づかなかったのに、この男の子は気づいてくれたんだ。