MIRAI
「私、こういう者です。」


5歳の時母が亡くなり、男手ひとつで私を育ててくれた父が死んだ。

交通事故で、呆気なく。

学校に連絡が入り警察署へ向かうと、霊安室の前に60代ぐらいの男性がいた。

手続きは全部その人がしてくれた。

大手の会社に勤めていた父は、それなりに所得もよく、貯金、保険金、事故の賠償金、持ち家、

私立中に通っていたが、そのままエスカレーターで高校に進学し、大学を出るまで生活できるほどのお金が私の手元に遺された。
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop