オジサンに恋しちゃダメですか
第1章 今時の若者
「ああ、今日も一日仕事終わった。」

時計が18時を回った事を確認して、私は背伸びをする。

「奈津菜。今日は駅前のイタリアンに、ご飯食べに行かない?」

「いいね。」

私が同期の春乃と、ハイタッチをした時だ。


「今日、残業できる奴いないか?」

上司の外川さんの呼びかけに、辺りはシーンとなる。

「四宮はどうだ?」

「俺、無理っす。」

同期の四宮連太は、入社以来残業をした事がない。

「正岡は?」

「私今日、用事があって……」

春乃も残業お断り。


そうだよ、今時残業なんて、パワハラ以外の何でもない。

個人の時間を、勝手に奪わないでほしい。


「それじゃあ、残業で残れるのは、瀬田一人だけか。」

「ええっ!?」

なぜ私だけ、残業する事に決まってるの?
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