オジサンに恋しちゃダメですか
「課長、私も今日は用事があって……」

「瀬田に残業を断る理由が、あるのか?」

「はっ?」

外川課長はデスクから、一枚の紙を見せた。

「大体今日の残業は、お前のミスから始まった事だろう。」

「うわ~!」


そうでした。

3日前、私は締切を守れず、夜の10時まで対応。

その時にやるはずだった袋詰めが、今日の今日まで、終わらずに残っているのだ。

「す、すみません。明日、早出して頑張りますから、今日だけはご勘弁を!」

私は外川課長を、神様のように拝んだ。

「その明日の朝、みんなで配る事になってるんだが?」

「と、言う事は……」

「今日中に仕上げないといけないな、瀬田。」

ニコニコ笑う外川課長が、鬼に見える。

「そんなあ。」

「そんなあじゃない。自分の責任は、自分で取れ。」
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