オジサンに恋しちゃダメですか
「へえー。」

これを課長が?

私がその販促物をまじまじと見ていると、一人の男の子がとことこと、歩いて来た。

「お姉ちゃん、僕にもそれ、ちょうだい。」

「はい、どうぞ。」

私があげたモノを、嬉しそうに持ちながら、親元へ走って行くその男の子がかわいい。


私もいつか、結婚して子供産んで、こういう市民公園のイベントに来るのかな。

そんな事を、思っていた時だ。

「瀬田ちゃん、今度さぁ……」

四宮君が、私に話しかけた時だ。

「終わったぁ!」

先輩の一言で、その場が盛り上がった。

どうやら、販促物が全部、空になったらしい。

どこからか、拍手が沸き起こり、私もその一人に参加した。


「ところで四宮君。さっき、言いかけた事なに?」

「いいや。何でもない。」
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