オジサンに恋しちゃダメですか
向かった先は、外川課長の行きつけのお店だった。

「今日一日、お疲れ様でしたー!乾杯!」

みんなでグラスを傾け、ワイワイと盛り上がっている。


そんな中、一人の先輩が課長に、詰め寄った。

「外川課長、やけに瀬田さんの事、気に入ってませんか?」

ドキッとした。

外川課長とは少し席が離れているのに、耳がダンボのように大きくなる。

「そうだな。あいつは、明るいから気に入ってるよ。」

おおーと、周りが盛り上がっている中、私一人だけが、ドキドキしてグラスを持つ手が、震えていた。


好き。

外川課長が好き。

もっと、側にいたい、一緒にいたい。

もっと、私の頭を撫でてほしかった。


でも、そんな事、有り得ないよね。

私は久々に訪れた恋の予感に、戸惑っていた。
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