オジサンに恋しちゃダメですか
全然、いつもの課長と違う。

そんな~。

あの人には、そんな優しいのに。

私、女として見られてないって事!?


「そうね。時間もあるし、行こうかしら。」

相手の女性がそう言って、課長と二人、クルッとこちらを向いた瞬間、私は女子トイレに逃げ込んだ。

「近くのカフェでもいい?」

「いいわね。」

柔らかい感じの会話。

これが、大人同士の会話なんだ。

と、思ったらなんだか急に、腰に力が入らなくなって、床に沈みかけて行った。


あーあ。

何でこんなに、悲しいんだろう。


「えっと……奈津菜?」

顔を上げるとそこには、春乃が立っていた。

「何してんの?女子トイレで。」

「春乃~!」

私は、春乃に抱き着いた。

「あーなに?何かあったの?」

「好きな人と、元カノがそこで会ってたの。」
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