オジサンに恋しちゃダメですか
「そ、それで?」

「二人で、お茶のみに行っちゃって……」

すると春乃は、私の体を自分から引き離した。

「しっかりして。ここでウジウジしてても、仕方ないでしょ。尾行してきなさいよ。」

「尾行!?」

「それで、二人の話を聞いてくるのよ。」

私は一瞬だけ、引いた。

「……それは、いけない事では?」

「何言ってるのよ。そこでよりを戻されたら、どうするの?」

私は、目をパチパチと、瞬きした。

「よりを戻すのは、ないんじゃないかな。」

「どうして?」

「相手の方、結婚してるし。」

私と春乃は、見つめ合った。

「分からないじゃない。女だって、不倫する時はあるんだし。」

「ええー!!」

「ほら、行って来るのよ!」

私は、春乃の掛け声を背に受けて、課長たちを追いかけた。
< 44 / 103 >

この作品をシェア

pagetop