オジサンに恋しちゃダメですか
「好きな女の事は、見てれば分かるでしょ。」

そして、柔らかい前髪の裾から、私を艶っぽい目で見つめる。

思わず体が、ドキッとしてしまう。

四宮君にそんな目で見られたら、誰だって落とせるでしょう。

何で、私なんかなの?


「どうして……私なの?」

「うん……難しい質問だね。奈津菜ちゃんが、奈津菜ちゃんだから、好きなんだよ。」

私の頭の中が、フル回転しても分からない。

「ごめん。言っている意味が……」

「ははは。」

四宮君は笑っているけれど、こっちは早く難問を解き明かしたい。

「いいんだよ。結局、どこがこうとか、そんなんじゃなくて……自然に落ちるモノなんじゃないかな、恋って。」


四宮君のその言葉が、スッと体の中に落ちて来た。
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