オジサンに恋しちゃダメですか
やっと、分かってくれた。

その安堵感に、また涙がサーッと流れた。

「また泣くのか。」

「すみません。」

「まあ、俺のじいさんからは、女を泣かせるくらいの男になれって言われたけれど、こんな形で実現するとはな。」


えっ?

課長の、おじいさん?


- 将成。女を泣かせるような男になれよ。-

- 分かった。じいちゃん。-


「ぷぷぷっ!」

気づいた時には、課長に聞こえていた。

「あっ、おまえ。笑ったな。」

「いえ!ははっ!あの……ははは……」

課長とおじいさんのやりとりを想像したら、それだけで笑えてきた。

その時、ふと頭に課長の手が、ふわりと乗った気がした。

「いいんだ。そうやって、笑ってろ。」

「課長?」

「若い女の子は、泣いてるより、笑ってる方がいい。」
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