オジサンに恋しちゃダメですか
次の日、目を腫らして出勤してしまった。

「奈津菜、どうしたの?」

「んー。」

春乃の介助で、自分のデスクの椅子に座る。

「春乃。私、撃沈しちゃった。」

無理して、ハハハと笑う。

「そっか。でも、ちゃんと”好き”だって、言えたんでしょ。」

「うん。」

「結果は残念だけど、いつかいい思い出になるよ。」

「ありがと、春乃。」


いい思い出か。

そう言えば私、あの時外川課長が好きだったなぁ、なんて。

振り返ったりするのかな。


「ふーん、そうか。奈津菜の恋は、そこまで進んでいたか。」

「ん?」

私は春乃の方を、ゆっくりと見た。

「……言ってなかった?」

「うん。しかもその様子だと、相手は連太ではないようだね。」

急に四宮君の顔が、ポッと浮かぶ。
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