オジサンに恋しちゃダメですか
資料を貼っては、位置を考え、コメントを考える。

大きさはいいか、場所はここでいいのか。

文字はあった方がいいのか、無い方が、見やすいか。


そんな事をしているうちに、もう定時になってしまった。

「相変わらず、仕事熱心だね。」

春乃はもう、帰り支度。

「うん。もう少し、頑張っていきたいんだ。」

私の言葉に、春乃は目をパチクリさせた。

「なんだか、今までの奈津菜と違う。」

「そうかな。」

「そうだよ。仕事に対して、前向きになったって言うか。」

そう言われると、嬉しい。


「私、課長を好きな事、まだ諦められないかもしれない。だから、一人前だって認めて貰えるように、頑張るんだ。」

「そっか。頑張れ。」

私は春乃に手を振って、またPCに向かった。
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