最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする


ふらつく足でなんとか教室へ入ると、何かに引っかかって思い切り床に倒れた。

そして巻き起こるクラスメイトの笑い。
見上げると、クラスでも派手な部類に入る女の子が私を見下ろして笑っていた。

彼女の脚に引っかかってしまったらしい。

「いったーい。田宮さんほんと鈍臭いね、勝手に人の脚に引っかかってこないでよぉ」

そう言って倒れ込んだ私を蹴る。

「ごめんなさい、」

小さな声で言って急いで立ち上がる。
そんな私の姿を見てクラスメイトたちはまた笑った。

急いで席についてまた机に突っ伏して、みんなの興味がそれるのをひたすら待つ。

「まじウケる」

誰かがそう言った。

全然笑いごとではない、私からしたら。
冗談じゃない。

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