最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする
どこから片付けたらいいのだろう。
とりあえず目の前のゴミ箱にある教科書を拾ってみた。
いろんなところが折れ曲がってはいるけどまだ使える、大丈夫。
窓の下を覗くと無様に落ちていった体操服は中庭に落ちていて、
なぜかほかのクラスの男子数人に蹴られている。
あれじゃあ取りに行けない。
窓のサッシに手をかけてため息をついた時、
中庭にいた男子のところへ駆け寄る人が見えた。
明るい茶髪の髪とほかの男子より少しだけ大きな身長、遠くからでもわかるくらいハッキリした目鼻立ち。
…市ノ瀬君だ。