最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする
「肉まんて言ったら角煮だよなあ!」
「……」
「どしたの、お腹すいてない?」
当たり前のように言いのけた千藤君が私の手に渡してくれた肉まんは、
普通の肉まんの大きさとは2倍くらい違って。
思わず凝視してしまった。
「…角煮の具の肉まんて初めて見た」
ぽつりと呟く私に千藤君は目を見開いた。
「え、マジで言ってる?!
これほんとに美味いから食べてみてよ!!」
ほら、ほらほら!!
そう言って食べるように促した千藤君に頷いて、肉まんを齧った。
ふわりと甘辛い味がする。
「……」
「どう?どう?」
自分で勧めておきながら不安そうな顔をする千藤君がなんだか可笑しい。
ごくりと飲み込んでから、
「美味しい。」
そう言って親指を立ててみせた。