最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする
いつからこうなってしまったのかとか
なんでこうなってしまうのかとか
そういうことはもう考えるのをやめた。
考えて、私に問題があるのかも、そう思って必死に行動してみたって彼らにとってはその姿も格好の的になってしまって。
うつむいてじっと我慢するしかないのだと、
そう分かってしまった。
みんな"遊びのつもり"で"暇つぶし"程度にしか思っていない。
その程度なのだ。
「たーみやさん」
俯く私に機嫌の良い声をかけてくる。
振り向かなくてもわかる。
「…何、市ノ瀬君」
「ほらみてこれ、体操服。
取り返してきてあげたよ?俺良いやつだよなあ」
いけしゃあしゃあと言ってのけた市ノ瀬君の手にはさっきまで彼が踏み潰していた私の体操服。
靴の跡がくっきりとついたそれに手を伸ばそうとすると、さっと体操服を体の後ろへ隠した。
「……拾ってくれてありがとう、
返してもらっていいかな?」
「…ぷっ、そんな震えて真っ青な顔して
変な人」
私を見下ろして笑う市ノ瀬君は、私の顔に体操服を投げつけた。