最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする



下を向いたまま言った市ノ瀬君の表情は見えないけど、
きっとこれは冗談ではない。

私は本当に、この人から嫌われてるんだ。

そう思った瞬間、身体中の力が抜けていったような気がした。



「……もうこんなことしないで」

妙に力の入らない身体を必死に動かして出口へと向かう。
市ノ瀬君は追ってこなかった。


学校から出た途端に、足の力が抜けてしゃがみ込んでしまった。


「……う〜っ……」

ボロボロと溢れて止まらない涙で地面が黒く滲んだ。

悔しい。
悲しい。

でもやっぱり、悔しい。


薄暗いコンクリートの地面の上で、私はいつまでも動けずにいた。


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