最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする




市ノ瀬君は理解できない。

私が苦しい時に嬉しそうにするし、
私が悲しい時に楽しそうにする。

私のことが嫌いだと言う癖に、私をじっと見ている。


だけど何より一番理解できないのは、私だ。


なぜだか涙が溢れて止まらない。



悲しいわけでもなく、
苦しいわけでもない。
怖いとかそんなんじゃない。

だけど涙が止まらない。


私はこの涙の訳を知らない。



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