最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする


「あれ?田宮さんもう回復したんだー?」

千藤君の後ろから軽やかな声がして、ひょこりと三宅君が顔を出した。
日の下で見る髪の毛は金色で、光を反射して眩しい。

「びっくりさせちゃってごめんね。
もう大丈夫」

「そ?よかったねえ」

そう言って私の頭へ伸びた三宅君の手をすかさず掴んだのは千藤君で。

「なにすんのケンタロー」

「お前こそなにしてんのミケ。セクハラ。」

「ケンタローだってしょっちゅーやってんじゃん田宮さんに!」

「俺はいいの!!!」

ぎゃんぎゃんと大騒ぎする2人は朝からテンション全開で、"低血圧"とか"朝は弱い"なんて言葉とは無縁そうで。

少し羨ましい。

遠くからきこえたチャイムとともに、慌てて校舎へと滑り込んだ。


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