最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする
3日ぶりの学校だ。
同じクラスに私の3日ぶりの登校を喜んでくれる人などもちろん居らず、誰も気づいていないであろう存在感の薄さを発揮して席についた。
荷物を机に入れながら、ふと市ノ瀬君の席を見る。
いつも人に囲まれている彼は、今日はまだ来ていないようだった。
ホームルームが始まっても市ノ瀬君の姿は無くて、取り巻きの男子たちがざわつき始める。
「風邪引いたっつってたんもんなー」
「昨日頭いてえって言ってた」
「まじ?それ絶対今日こねえよ」
そんな会話が聞こえてきた。
風邪、引いたのか。
いつも余裕そうな顔の市ノ瀬君が熱で苦しんでいる様子を思い浮かべて、少しだけ"ざまあみろ"という気分になってしまう。
市ノ瀬君も風邪とかひくんだな、なんて
失礼なことを考えながら、教科書を開いた。