最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする
「な…にしてんだよお前!!!!」
乱暴に引き剥がされた身体は反動で倒れそうになる。
そのまま千藤君に受け止められた私は、何が起きたかわからないまま。
「…お前、本当なんなの?
田宮さんはお前のおもちゃじゃねえんだぞ?!」
怒りを滲ませて吠えた千藤君なんか見ることもなく、市ノ瀬君は冷たい目で笑っている。
それからゆっくりと私に近いて、口の端を上げて綺麗に笑って言った。
「誰がなんと言おうと関係ない
田宮さんに何しようと俺の自由なんだよ。」
その顔に、ぞくりと震える。
怖い?
違う。
綺麗な指が愛しむように私の頰を撫でて、首をなぞった。
「大嫌いだよ、田宮さん」
そう言って美しく笑う市ノ瀬君から目が離せなくて。
早くなっていく鼓動に戸惑いを隠せなかった。