最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする
「…なんで?」
「え?」
「なんで田宮さん、普通で居られるの?」
ぎゅっと眉根を寄せた千藤君は、悔しそうに呻く。
ぐっと握りしめられた手が、行き場なく宙に浮いた。
なんで、って言われても私だってわからない。
自分でも思う時がある。
私のこころは死んでしまっているんじゃないか、って。
だからきっと、私は普通じゃないと。
だってまともだったらきっと、今こんな風に学校に通い続けられてない。
たくさんこころを傷つけられて、私は大事なものをたくさん無くして。
いつか自分までもなくなってしまうんじゃないかとそんな想像をしてしまう。