最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする
でもしょうがないじゃない、
そうでもしないと私は気が狂ってしまいそうだったんだから。
自分に向けられる嘲笑も、敵意の眼差しも、
すべて黙って飲み込んで。
耐えて。
そんなことをしていたら、こうなってしまったんだから。
「…そうだね
私おかしいからこんなに冷静なのかもね」
そう言った声が、まるで市ノ瀬君みたいに冷たくて。
「田宮さん…」
目を見開いて固まる千藤君の腕をほどいて、彼に背を向けた。