最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする
図書館に行くなんて真っ赤な嘘だ。
私は足早に屋上へと向かった。
ドアを閉めると、堰を切ったように涙が出てくる。
悔しい、悔しい、悔しい。
なんでいつまでもこんななんだろう。
気づけば放課後、誰もいない屋上で声をあげて泣くことが日課になっている、
こんな私が嫌で仕方ない。
拭っても拭っても落ちてくる涙にワイシャツの袖がぐっしょりと濡れた。
しゃくりあげてふと後ろを見ると、
呆然としたような顔で立っている黒髪の男の子がいた。
彼が肩に引っ掛けているカバンがずるりと落ちて、ああこの人はバスケ部なのかと思った。
「あの…どうしたの?大丈夫?」
遠慮がちにかけられた声にハッとして、私は反射的に走り出した。
背後からかけられる戸惑ったような声に振り向きもせず、屋上を飛び出した。
体力のない私はすぐに息が切れて、ふと立ち止まって窓に映った自分と目が合う。
「…すごい顔」
擦りすぎた目元は真っ赤で、鼻も無様に真っ赤で。
こんな顔見たら誰だってびっくりするな。
そう思いながらさっきの男の子の見開いた目を思い出した。