最低な君は、今日も「大嫌い」を口にする
目覚ましが鳴る。
学校から帰ってから次の日の朝までは驚くほどに一瞬で、また今日も1日が始まる。
起きて早々にため息をついて制服に着替える。
恐ろしく似合っていないブレザーは少し大きくて、"着られてる感"が否めない。
「お姉ちゃんおはよ!いってきます!」
私の猫背に声をかけて玄関へ駆けていったのは妹の真湖。
私とは正反対の、明るくて活発で可愛い妹。
いってらっしゃい、と小さく声をかけた時にはもう真湖は居なくなっていた。
お母さんもお父さんもすでに出勤しているようでダイニングテーブルに私の分の朝食がぽつりと置かれていた。
「…行きたくない」
誰もいないのをいいことに呟く。
呟いたところで学校に行かなければならないのは変わらない。
食べ終わった食器を片付けてノロノロとカバンを手に取った。