クールなアイドルの熱烈アプローチ
『今回の事は度々大堂からの接触があったのを分かっていたのにも関わらず未然に防げなかったマネージャーである俺の責任だ』

申し訳なかった。と堀原が真摯に謝ってきたのに対し、陽菜は必死に頭を振った。

「違っ……堀原さんのせいじゃ……」

『俺は、お前を初めて見た時に原石だと思った』

「原石……?」

『磨けば磨くほど光る原石。お前には素質があるから今まで育ててきたんだ。
今はゆっくり休め。復帰したら目が回るくらい忙しくしてやる』

どこまでも強気で言い放つ堀原は、陽菜がこのまま干されたり引退することなど微塵も考えずにただ復帰した先のことだけを見ている。
陽菜は目元に浮かんだ涙を指で拭うと、はいっ!と元気に返事をした。

少しだけ元気を取り戻した陽菜の様子に勇人は安心したように微笑み、その姿をずっと見守っていた。
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