クールなアイドルの熱烈アプローチ
三人は場所を移すと近くの中華料理店に来ていた。
円卓があるのがそこくらいで、三人が顔を見て話せるようにとの朝陽の提案だった。

「改めまして、私、大堂のマネージャーをしております蛯名と申します」

堀原はもう持っていので朝陽だけに名刺が渡されると朝陽はあえて片手でそれを受け取り、ご丁寧にどーも。と興味がなさそうな素振りを見せた。

「えっと、貴方は……」

「俺?俺の事はいいから話聞かせてよ。
堀原さんも疲れてるんだからさ。あんたのとこの所属モデルのせいで」

オブラートに包むこともなくハッキリと嫌みを言う朝陽に蛯名は固まり、堀原は深く息をついた。

「蛯名さん、話を……」

「あ、は、はい。そうですね……。
この度は弊社の所属モデルのせいで秋村さん、並びに御社には多大なご迷惑を……」

「そんな書面でも済ませられるようなことを態々言いに来たんじゃないんでしょ?さっさと本題に入りなよ」

その瞬間、空気が固まった。
今日の朝陽は大分苛ついているようで、蛯名の少しでも用件を先延ばしにするような話は断固として拒否していた。

これ以上の無駄話はいらない。と朝陽が強く蛯名を睨み付けると蛯名は、ひっ!と小さく悲鳴を上げる。

まさに、蛇に睨まれた蛙状態だった。
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