クールなアイドルの熱烈アプローチ
「何があったとしてもやってはいけないことだったとは言ったんです。
でも、この子だけを責めることも出来なくて……。
それで、秋村さんに無理を承知で時間を作って来てもらいました」

と説明し二人で頭を下げてきたので陽菜は慌てて手を振る。

「あ、頭を上げてくださいっ！その、あの時は本当に怖くて……どうしたらいいか分からなかったんですけど……。
でも、私も同じ立場だったらもしかしたら……同じ事をしてしまったかも、です。
だけど……」

伝えたいことが上手く言えてるかが分からなくなってくるが、陽菜は必死に言葉を紡いだ。
どうしても言いたいことをしっかり伝えるために深呼吸をして気持ちを落ち着かせて、真っ直ぐ英理の目を見つめた。

「私みたいな人を増やさないためにも、どうか同じような事を繰り返さないでください。
きっと、貴女もその人も……また苦しみます……」

そう伝えると、英理は涙を流しながらしっかりと頷いた。

「私、大堂さんがやったことを公表しようと思うんです。
他の人達の証言も集めてマスコミに持ち掛けます。
秋村さんのスキャンダルを、必ず晴らします……！」

その強い意志がこもった瞳に陽菜は一瞬目を見開くとすぐに小さく微笑み、ありがとうございます。と頭を下げた。
それから暫し三人で話し合い、これからどう動いていくかを慎重に話し合った。
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