クールなアイドルの熱烈アプローチ
「拓也、どうした？」

勇人の方にかかってきた電話は拓也からで、用件を訪ねると拓也は大きな溜め息をついた。

『お前さぁ、朝からテレビ見て驚いた俺の身になれよ……。
陽菜ちゃんとスクープになってるじゃん』

「いや、一般人ということになってるらしい」

『そうなってても相手は紛れもなく陽菜ちゃんだろうが！お前はいいけど、陽菜ちゃんは？スクープになってること気にしてんじゃないか？』

「彼女なら……」

言いながら陽菜を見てみるとスマホ越しに堀原の大きな声が聞こえてきて、陽菜が相手もいない空間にペコペコ頭を下げているのが見えた。

「堀原さんに怒られて可愛く頭を下げてる」

『……朝っぱらからさりげなくのろけるの、やめてくれない？』

陽菜が堀原との通話を急いで切ると、またどこからか電話がかかってきたのか慌てふためきながらスマホを耳に当てていた。

「拓也、婚約発表はいつしたらいいだろう？」

『……まず、ちゃんと告白してＯＫもらってからにしような？』

一人思考が暴走しつつある勇人に拓也が諭すと、陽菜がスマホ片手に近づいてきた。

「あの、昨日お話ししたヘアメイクさんからが越名さんとお話しする日時を決めたいと……」

「分かった」

勇人は拓也との通話を切ると陽菜からスマホを受け取り、全員の会える日時を決めるため電話を代わった。
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