クールなアイドルの熱烈アプローチ
「え!?でも、ここ遠いですっ!」

「まあ、近くはないな」

「そんなに長いお休みがとれるか……」

「とる」

「……パスポート……」

「仕事で海外に行くことがあるから持ってる。
陽菜も持ってるだろう?」

その言葉に陽菜は頷くと、花丸のついたページと勇人を交互に見つめ、やがて、本当にいいんですか?と聞くと勇人は微笑んだ。

「陽菜が行きたいところに、俺も行きたい」

「っ……ありがとうございますっ!
勇人さん、大好きですっ!!」

普段は恥ずかしくて滅多に言わないことを言いながら抱きつくというオプション付きでやってのけた陽菜の体を勇人はしっかりと受け止めた。

「そうと決まれば……あれ、勇人さん?」

目的地が決まり細かい場所を決めようと陽菜が離れようとするが、勇人がしっかりと抱きしめていて密着した体は離れる様子がない。
徐々にこの体勢が恥ずかしくなり、陽菜は顔を赤くしながら離れようと必死に模索した。

「ゆ、勇人さん、離してくださいっ」

「……せっかく陽菜から抱きついてきてくれたのに?」

大好きって言葉つきで。と耳元で囁かれるとさらに陽菜が赤くなる。
いつまでも初々しい陽菜の反応に勇人は自分が満足するまでの長い時間、陽菜は抱きしめ続けられるのだった。
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