クールなアイドルの熱烈アプローチ
陽菜には大きすぎるパーカーを着て、日焼け止めにサングラスに帽子という日焼け対策をしっかりしながら勇人と手を繋いでビーチを歩く。

少しでも泳ぎたいのだが紫外線の少ない夕方の方がいいと現地の人に言われ、今はのんびり散歩をしている状態だった。
チラチラ周りを見ていると、すれ違う女性達が勇人を見ているのが嫌でも分かる。

ーー勇人さん、外人さんから見てもやっぱり格好いいんだなぁ……。

途端に嫉妬心が沸き起こり、陽菜は勇人の腕にぎゅっと抱きついた。

「陽菜?」

どうした?と優しく聞かれて、陽菜は小さく首を振る。
入籍もして、新婚旅行にも来ているのに、見ず知らずの外人さん達に嫉妬していることはなんとなく知られたくなかった。

「疲れたならそこに入るか?」

勇人が指差したのは水着のまま入れるカフェ。
気を使ってくれる勇人に申し訳なく思いながら陽菜は頷いた。

カフェに入ると陽菜はテラス席に座らされ勇人が注文しに行ってくれるが、カフェにいる人もずっと勇人を目で追っていて、陽菜はモヤモヤしっぱなしだった。

『君、一人?』

「はい?」

ぼんやり勇人を見ていたら、いつのまにか横に立っていた外人さんに突然話しかけられ陽菜は目を丸くした。
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