クールなアイドルの熱烈アプローチ
「い、いつも……?」

「陽菜が出てるテレビや雑誌を見たり、写真集を買ってる奴らに嫉妬するし、一緒に歩いていても陽菜のことをじっと見てくる奴らにはイライラする。
その水着姿も俺じゃない男も見るんだと思うと部屋に閉じ込めたくなるくらいだ」

普段口数の少ない勇人がどのような時に嫉妬するのかを饒舌に話し出したので陽菜はかなり驚いてしまった。

「……で、でも勇人さんの方が女性にたくさん見られてますっ」

「俺は陽菜しか見てないから気にしてない」

「っ……!」

あまりにも真っ直ぐな物言いに陽菜は真っ赤になった。
勇人が嫉妬してくれていたのも、さっきの言葉も嬉しくて、陽菜は緩みそうになる頬を両手で押さえるとおずおずと勇人を見た。

「わ、私だって……勇人さんしか見てないですから他の人のことは気にしてないですし……それに、格好良い勇人さんのことを見ている女性達に妬いてました……」

「そうか……」

陽菜の言葉に嬉しそうに微笑む勇人に陽菜は動悸が止まらなかった。

タイミング良く勇人が注文してくれたパンケーキが運ばれてきて、陽菜が目を輝かせていると店員さんが何か笑顔で言って戻っていった。
言われた言葉が分からない陽菜が首を傾げていると、勇人が、お幸せに、だそうだ。と簡単に通訳してくれて陽菜は笑顔になった。
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