クールなアイドルの熱烈アプローチ
「……大丈夫か、陽菜?」
「ぅーー……」
心配そうな堀原の問い掛けに、陽菜は小さく唸りながらも頷いて答える。
移動中の車で堀原はバックミラーをチラチラ見ながら後部座席で横たわっている陽菜を見る。
陽菜が体調を崩した日から数週間経ったが、微熱が出たり出なかったり、調子がいい時もあれば今日のように悪い時もあった。
「病院には行ったのか?」
「行ってません……と言うより行けません……。
お休みなくお仕事入れてくれたの、堀原さんじゃないですかぁ」
「……救急とか」
「高熱でもないし、たまに眩暈と吐き気がするくらいです。
救急に行くほどではない気がして……それに、診察ってお医者さんとの問診があって緊張します……」
仕事では堂々と出来るようになってはきた陽菜だが、プライベートではまだまだ人見知りは克服できそうになかった。
「薬は飲んでるのか?」
「いえ……滅多な事で解熱剤は飲むなと朝陽に強く言われてて……。
眩暈に対するお薬はどれがいいのか分からなくて……」
陽菜の答えに堀原は眉を潜める。
確かに今の状態では緊急性を感じられず、堀原は強く言えなかった。
ただ、陽菜の体調不良を分かっていて仕事させていたと知られれば、あの朝陽と勇人に何を言われるか分かったもんじゃない。
「どうしても無理なら早めに言え。
休みをとることもできるから」
「……ありがとうございます」
堀原の言葉に陽菜は力なく微笑む。
陽菜のその表情を見て堀原は小さく溜め息をついた。
無闇に仕事を休めば、周りの人に多大な迷惑をかけることになるのを分かっている。
だからこそ陽菜は無理をしてでも休むことはしないだろうと察したからだった。
「ぅーー……」
心配そうな堀原の問い掛けに、陽菜は小さく唸りながらも頷いて答える。
移動中の車で堀原はバックミラーをチラチラ見ながら後部座席で横たわっている陽菜を見る。
陽菜が体調を崩した日から数週間経ったが、微熱が出たり出なかったり、調子がいい時もあれば今日のように悪い時もあった。
「病院には行ったのか?」
「行ってません……と言うより行けません……。
お休みなくお仕事入れてくれたの、堀原さんじゃないですかぁ」
「……救急とか」
「高熱でもないし、たまに眩暈と吐き気がするくらいです。
救急に行くほどではない気がして……それに、診察ってお医者さんとの問診があって緊張します……」
仕事では堂々と出来るようになってはきた陽菜だが、プライベートではまだまだ人見知りは克服できそうになかった。
「薬は飲んでるのか?」
「いえ……滅多な事で解熱剤は飲むなと朝陽に強く言われてて……。
眩暈に対するお薬はどれがいいのか分からなくて……」
陽菜の答えに堀原は眉を潜める。
確かに今の状態では緊急性を感じられず、堀原は強く言えなかった。
ただ、陽菜の体調不良を分かっていて仕事させていたと知られれば、あの朝陽と勇人に何を言われるか分かったもんじゃない。
「どうしても無理なら早めに言え。
休みをとることもできるから」
「……ありがとうございます」
堀原の言葉に陽菜は力なく微笑む。
陽菜のその表情を見て堀原は小さく溜め息をついた。
無闇に仕事を休めば、周りの人に多大な迷惑をかけることになるのを分かっている。
だからこそ陽菜は無理をしてでも休むことはしないだろうと察したからだった。