クールなアイドルの熱烈アプローチ
「勇人さん、勇人さんっ!景色がすごくいいですよ!
あ、お部屋にも露天風呂がついてる!」

温泉宿に向かう途中、せっかくの旅行、勇人さんに運転させて私だけ寝るわけにはいきませんっ!と言いながらもスヤスヤと寝てしまった陽菜は宿で案内された部屋に興奮していた。

「この宿で一番景色のいいお部屋なんですよ。
特に、その露天風呂が人気なんです。
夜にはライトアップされて幻想的な雰囲気のお風呂に入れます」

と言う仲居の説明に陽菜は嬉しそうに何度も頷き笑っている。
今日は微熱が出ていて体も怠いようだが、比較的元気そうで良かったと勇人は安堵していた。

「勇人さん、せっかくですしどこか散策しますか?」

「ん……そうだな、どこがいいだろうか……」

「でしたら、近くにいちご農園があって、いちご狩りも楽しめますよ」

「いちご……!お土産にもいいかもしれません!
……勇人さん、行ってみてもいいですか?」

おずおずと問いかける陽菜に勇人は微笑み頭を撫でた。
場所を聞いて行ってみると、わりとすぐ近くにあって、複数の観光客の人達がすでにいちご狩りを楽しんでいた。
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