クールなアイドルの熱烈アプローチ
「秋村さん、どうかしました?
いつもより顔色悪い気が……お疲れですか?」
控室でヘアメイクアーティストが髪をブローしながら心配そうに見つめてくる。
陽菜は薄く微笑むと、大丈夫です。と応えた。
「今回、大堂さんとの初めてCM撮りなので……ちょっと緊張してるんだと思います」
「ああ!今日は大堂さんがいるんですね!通りでみんな浮き足立ってるわけだわ」
納得したように頷く彼女は、やがて眉を潜め声を落とす。
「ここだけの話、大堂さんには気を付けた方がいいですよ」
「え?」
「いえね、大堂さん、人当たりがいいからスタッフ達の受けもいいし、あのルックスと性格だから周りの娘達がすごく入れ込んでて……。
実際、付き合ったこともあるって言ってる娘もいるんだけど……正直、その娘達からの評判はよくないんです」
そう聞いた瞬間、陽菜はさっきの大堂の笑みを思い出した。
普通に笑っていたはずなのに、思い出しただけでまたゾクッとして無意識に両腕を擦っていた。
寒いですか?と気を使われ、毛布を手渡してくれたので有り難く使わせてもらった。
「まあ、女の子達が別れた腹いせに大堂さんを悪く言ってるってこともあるでしょうが……」
「そう……ですね……」
毛布をぎゅっと握り、鏡に写るブローが終わり艶々になった髪の自分の顔を見つめる。
頃合いを見計らったかのように控室の扉がノックされると、陽菜はゆっくりと席を立った。
いつもより顔色悪い気が……お疲れですか?」
控室でヘアメイクアーティストが髪をブローしながら心配そうに見つめてくる。
陽菜は薄く微笑むと、大丈夫です。と応えた。
「今回、大堂さんとの初めてCM撮りなので……ちょっと緊張してるんだと思います」
「ああ!今日は大堂さんがいるんですね!通りでみんな浮き足立ってるわけだわ」
納得したように頷く彼女は、やがて眉を潜め声を落とす。
「ここだけの話、大堂さんには気を付けた方がいいですよ」
「え?」
「いえね、大堂さん、人当たりがいいからスタッフ達の受けもいいし、あのルックスと性格だから周りの娘達がすごく入れ込んでて……。
実際、付き合ったこともあるって言ってる娘もいるんだけど……正直、その娘達からの評判はよくないんです」
そう聞いた瞬間、陽菜はさっきの大堂の笑みを思い出した。
普通に笑っていたはずなのに、思い出しただけでまたゾクッとして無意識に両腕を擦っていた。
寒いですか?と気を使われ、毛布を手渡してくれたので有り難く使わせてもらった。
「まあ、女の子達が別れた腹いせに大堂さんを悪く言ってるってこともあるでしょうが……」
「そう……ですね……」
毛布をぎゅっと握り、鏡に写るブローが終わり艶々になった髪の自分の顔を見つめる。
頃合いを見計らったかのように控室の扉がノックされると、陽菜はゆっくりと席を立った。