クールなアイドルの熱烈アプローチ
「そんな人達もこの仕事に慣れたら、どんどん話しかけてくれるようになるんです。
自分の殻を破るって感じですね」

なるほど。と陽菜は思った。

自分も最初はおどおどして言われた通りの仕草と表情しかつくれなかったが、最近は自分で考えて表情を変えたり動いたりしている。
撮影のイメージと合ってないとダメ出しされることも多いが褒められることもあって、陽菜はどんどん自分には合っていないと思っていたこの仕事が楽しくなっていた。

「これからもたくさんお話してくださいね。
私達、秋村さんともっと仲良くなって素敵な写真をもっと撮りたいんです」

「はい。私も、もっとみなさんとたくさんお喋りして仲良くなりたいです」

陽菜の言葉に周りにいたスタッフは柔らかく微笑む。
自分に余裕ができて、改めて周りを見たらこんなに暖かい人たちで溢れていた。
陽菜はこれからはもう少し、自分から歩み寄る努力をしようと思った。

ーー目指せ、人見知り克服!

そう決意した陽菜を嘲笑うかのように、魔の手が迫っていようとは思わずにーー
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