クールなアイドルの熱烈アプローチ
「……あれ?
おかしいな……堀原さーん」
控室でバッグを探っていた陽菜は、いつも持ち歩いている手帳がないことに気づいた。
今日はテレビの撮影で先日出した写真集の宣伝をかねて来ていたのだが、その控室に置いていたバッグの中に入れていたはずのスケジュールを記入している仕事用の手帳がどれだけ探しても見当たらなかったのだ。
「私の手帳、堀原さんの荷物に紛れてたりしませんか?」
「いや、ないな。
どこかに落ちてるんじゃないか?」
一緒にバッグを置いていた机やソファー周りを確認するが、そんなに広くない控室で散らかしていたわけでもないのに何故か見つからない。
「家に忘れたとかか?」
「そんなことないですよー。
収録前にスケジュール確認してたので……」
撮影前までは確かにあったのに、どこを探しても見つからない。
スケジュールはスマホにも入れているから分からなくなることはないのだが、手帳で確認する方が陽菜はやりやすかった。
「とりあえず次のスケジュールが押してるから、手帳は局の人に伝えて見つかったら知らせてもらおう」
「はい」
頷き堀原と一緒に控室を出る。
確かにバッグに入れたはずなのに手帳がない。
手帳“だけ”がない。
陽菜は何故か感じる言い知れぬ不安に気付かぬふりして次の仕事に向かった。
おかしいな……堀原さーん」
控室でバッグを探っていた陽菜は、いつも持ち歩いている手帳がないことに気づいた。
今日はテレビの撮影で先日出した写真集の宣伝をかねて来ていたのだが、その控室に置いていたバッグの中に入れていたはずのスケジュールを記入している仕事用の手帳がどれだけ探しても見当たらなかったのだ。
「私の手帳、堀原さんの荷物に紛れてたりしませんか?」
「いや、ないな。
どこかに落ちてるんじゃないか?」
一緒にバッグを置いていた机やソファー周りを確認するが、そんなに広くない控室で散らかしていたわけでもないのに何故か見つからない。
「家に忘れたとかか?」
「そんなことないですよー。
収録前にスケジュール確認してたので……」
撮影前までは確かにあったのに、どこを探しても見つからない。
スケジュールはスマホにも入れているから分からなくなることはないのだが、手帳で確認する方が陽菜はやりやすかった。
「とりあえず次のスケジュールが押してるから、手帳は局の人に伝えて見つかったら知らせてもらおう」
「はい」
頷き堀原と一緒に控室を出る。
確かにバッグに入れたはずなのに手帳がない。
手帳“だけ”がない。
陽菜は何故か感じる言い知れぬ不安に気付かぬふりして次の仕事に向かった。