STOP&ストップ!!!
先生の声が合図に
やっと弱まる貴方の力。
はい。今、“柔道”をしてます。
数秒後たってから
私に覆い被さっていた体を離して、立ち上がる貴方こと〔松岡 奏汰(マツオカ カナタ)〕。
あたしこと〔名波 香織(ナナミ カオリ)〕は、只今 奏汰が強く抑えつけていたので体が痛くて痛くて動かせない。
まったく、この男には“手加減”って言葉が通用しない………。
………でも、
「――立てるか?」
そう言って、あたしに手を差し出てくる奏汰。
意地悪で容赦ないのに …優しい……というギャップに
カエルが跳ね回っているように心臓が動きだす。
「あ、ありがとッ……」
照れくさいながらも差し出された手をとると、
「てか、お前も女なんだな」
と言う不可解な言葉が返ってきて、
頭にクエスチョンマークを浮かべているあたし。