チェックのマフラー
凛介SIDE

言わなければよかった

「あのさ・・・」


一息つく静ちゃんに重い口を開く俺。


言いたくないけど、俺が決断した事だから。

「俺。アメリカに留学するから。」


泣いたのは俺?

ううん。

"君"だったよ。


「うそ・・・!?」


「本当」


涙を堪えて、冷静さを保つ。

「ねぇ・・・凛介。なんで?急に、どうしたの??」

「ごめん、急じゃないんだ。前から考えてた。」

泣き止まない静ちゃん。

立場が正反対だね?

「意味わかんない!ねぇ、どーして?なんで凛介なの??」

「やの明後日(明後日の次の日のこと)ここ離れなきゃいけないんだ。」


俺は静ちゃんの部屋から出た。


でも


静ちゃんは



なんども



こう叫んだ



「・・っきだったからぁ!凛介ぇ!居なくならないでぇ!」


俺は耳をふさいだ。


隣家まで聞こえる声。


「やめてよぉ」


堪えていた涙があふれてきた。


「行けなくなっちゃうじゃんかぁッ!」

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