チェックのマフラー
「今日は、ありがと。」

家の前で、拓斗にお礼を言う。

「待ってんだろ?幼なじみが。」

拓斗はアタシの部屋を指差した。

部屋は行くときと同じようにカーテンが開けっ放しだった。

「う、うん。」

凛介が見ていないことに安心したアタシ。

「じゃな、またどっか行こうな。」

拓斗は軽く手を振った。

「ん。ばいばい」

アタシも手を振った。

拓斗が角を曲がったと同時に玄関を開ける。

玄関には靴が一足、凛介のだ。

アタシはフワフワした気持で階段を駆け上がる。

手にはコンビニの袋。

ガチャ

「凛介、ただいまぁー」

アタシは明るく声をかけた。

「あー!遅いー!早くアイスとコーラ頂戴ッ!!」

いつもの凛介だ。

「はいはい、あ、スプーン持ってくるから、待ってて?」

アタシは階段を下りた。

キッチンにあるスプーンを2本持って上がる。
「アタシは、イチゴキャラメルだからね、凛介はバニラだよ。」

「はぁーい!」

元気よく返事をする凛介。

こんな関係、ぶち壊したい。

アタシは凛介が大好きなのに。

でもこの関係じゃなくなったら、居場所もなくなる。

急にそんなことが頭に過ぎる。


でも・・・

これが。


現実になることを。


予測していたのは。


誰だっただろう。
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