【本編完】最恐No. 1はそこにいる







「では!

始まりの音頭を組長!お願いします!」



じいちゃんが立ち上がる。





「…まず松原、


無事に戻ってきたことを嬉しく思う。

お前のお陰で高木組を落とせた。



よく頑張ってくれた。



…真も、

次期組長としてよく働いた。



高木組がいなくなったこれから、

また問題も出てくるだろう。



だが、

今日は存分に楽しめ。


乾杯!」




『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』



祝いの宴が始まった。



こういう時はいろんな奴がいて、

裸踊りする奴もいれば、歌うやつ、泣くやつ、

童貞同士で円陣を組む奴ら。




とにかく、

全員満面の笑みで飲んでいる。




「若!

俺の酌、飲んでくれませんか!」


松原が酒を持ってきた。


「ん。」


盃を松原の前に出す。


にこにこしながら松原が酒を注ぐ。



注いだ酒を、

俺は一気に飲んだ。



「若、お見事!」




次は松原の番だ。


俺は松原の持ってきた酒を取る。




「ん。」



盃を持つよう合図する。




松原は一瞬驚いたが、

すぐに盃を俺の前に出した。




俺が注ぐと、

松原も一気に飲んだ。




「ありがとうございます若!」




『松原さんいいなぁー!!』




いつの間にか周りに集まっていた組員が、

一斉にそういう。




「若!俺もお願いします!」



「いやいや!俺が最初に!若!」



「何言ってんだ!松原さんの次は俺だろ?!

ですよね若?!」




皆口々に喋り出す。



「たくっ、



わかった、

注いでやるし飲んでもやる!」



俺がそう言うと、

また場が大きい声を出した。





それから組員達と飲んだり、

じいちゃんと飲み比べしたりと、

楽しい時間を過ごした。






翌日、

組員の介抱をするのが大変だったのは言うまでもない。





< 17 / 82 >

この作品をシェア

pagetop